No.5 VRパノラマ制作とVR撮影のポイント

ある場所の光景を360°パノラマの形で表現することができるVRパノラマ。バーチャルリアリティの最終段階といってもよいこの技術ではモニター上に映し出されている場所に実際に訪れているような感覚と、現実から離れて別の世界に訪れたような不思議な高揚感を味わうことができる魅力を備えています。
ビジネスシーンでも活用が本格化しており、観光地や商店街の紹介、デパートの売り場の紹介、交通機関の移動ルートの説明などさまざまな場面でVRパノラマ制作が行われています。展示会、即売会など特別なイベントでは単にどんな光景なのかだけでなく、その場の雰囲気や盛り上がりまである程度見て取れるという優れたメリットも備えています。集客やマーケティングだけでなく、ビジュアルに訴えかける点から国内だけでなく世界に向けて紹介できる可能性を秘めた非常に魅力的な分野ともなっているのです。
そんなVRパノラマ制作の鍵ともいえるのがVR撮影です。360°の景観を表現するためにはまずその光景を撮影しなければなりません。まずできるだけリアリティと臨場感を表現するため鮮明な画像・映像の撮影が求められます。せっかくの技術も画像が粗くクオリティが低いと魅力が半減してしまうからです。
もうひとつのポイントは360°の視点で撮影することです。人間の視野はもちろん、普通のカメラでも360°を一度に捉えることはできません。ですから360°全体をどのようにして撮影するかが鍵となるわけです。景色が変化しやすい場所の場合、異なる時間に撮影したVR撮影を使用するとつぎはぎのような出来栄えになってしまいます。
このVR撮影の問題に関しては2つの選択肢があります。1台で360°の撮影が可能な特殊なカメラを使用する方法と、複数のカメラで同時に360°を撮影し連結する方法です。理想としては前者の方が違和感もなくスムーズなVR撮影が可能なので適しているのですが、後者でもうまく行うことで臨場感溢れるVRパノラマ制作が可能です。ウェブサイト向けなどでVRパノラマ制作を検討している方はまずVR撮影の環境をしっかりと整えるようにしましょう。